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2007年5月25日 (金)

IP電話を信用するな! その・1

IP電話、光電話のトラブルが頻発している。
ある意味当たり前のことだ。
なぜ安いのか、という部分を全く理解しようとせず、ただ通話料が安くなるからという理由だけで、業務向けの電話を光電話(既存の番号のままでIP電話化するサービス)に変更するなんて、冒険するにもほどがある。


まず、「IP」電話とはなんであるか?
そのままだが、IP (Internet Protocol)を使った電話サービスがIP電話だ。
パソコン通信>インターネット時代のユーザーであれば、ある程度わかっているだろうが、ネットの通信速度は一定ではない。回線の太さ、接続するユーザー数、転送するデータ量、使用する機器の処理速度などによってどんどん変わる。
基本的にインターネットは、変わりつつもできるだけデータをやりとりしよう、スムーズに流れるときには多く流し、滞りがちなときにも遅くなってもいいからできるだけ、という構造になっている。これをベストエフォートという。


そこで電話を考えてみよう。
いっこく堂の持ちネタみたいに衛星中継みたいな会話だったら?
ぶつぶつにとぎれたり、途中が聞こえなくなったら?
現在のところ、IP電話はこれを回避できない。
高速インターネット回線(FTTHやADSL)の普及や、バックボーン回線の増強、各種機器の処理速度向上で、昔ほど欠点が見えなくなっているだけで、完全に回避することは原理上無理である。QoS技術の実装が普及すれば別であるが、帯域を予約するということはその分コストがかかることを理解しないとならない。


したがって、現在のIP電話は原理からいうと「止まって当たり前」と思って運用しないとならない技術のハズである。


ところが、ここで政治的・経営的な側面が出てくる。
ADSL競争で後れをとったNTTは、収益を改善するための方策が必要になった。そのため早急にFTTHサービスを拡充し、ADSLで奪われた顧客を再奪取することにした。当初は、ADSLとの違いとして、速度をアピールしたが、ADSL技術も進歩するために実測でのメリットがほとんどなくなった。
なぜならADSLであっても下り40Mbpsを越えるサービスを提供している上に、上り回線の細さや基地局との距離による減衰というデメリットも実際の利用でそこまでの高速回線を使うようなサービスを万人が必要としていない。
そのため普及させるために別のアピールポイントが必要となった。
そして選ばれたのが、光電話というネット接続、電話サービスの統合。
乗り換えてくれれば、電話番号を質にとることができる分だけ他社に乗り換えられる可能性も低くなる。
「ネット料金、電話料金をまとめることによって基本料金を割安にできます。既存の電話機が使える上に電話番号も今までと変わりません。通話料金も安くなりますし、場合によっては無料です。」
これならどうだ!
たしかにすばらしい。
だが、前述のように形こそ同じ電話サービスであるが、別の技術を背景にしたものであることをまるで伝えていないのだ。


営業的な側面もある。
どんどん売れということになれば、ユーザーサイドとしても安い電話+速いインターネット接続サービスが割安に提供されたのだから、乗り換えない理由がない。
これがどんどん増えるユーザーに見合うだけの設備増強が間に合わない上に、技術的にも発展途上のであるために頻繁にアップデートを行うことになる。
どこかでトラブルが起きない方がおかしいのだ。


現時点でのユーザーサイドの対処法としては、
・複数回線の副回線として導入
・あえて、050番号として導入
・いっそ、Skypeなどインターネット電話を利用
などだろうか。
間違っても業務向けに使用している単回線を光電話にするような無茶は避けよう。
というかこういうユーザーに売り込んだらいけないハズなんだが。

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